100歳の少年と12通の手紙~苦手なフランス映画の突破口~

100歳の少年と12通の手紙
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ニガテなフランス映画だったけど

フランス映画ってどうもあんまり好きな作品に出会わないので、どちらかというと苦手意識があったんですよね。

なんだか小難しくて、なんとなく暗くて・・私の中でフランス映画はそんなイメージの作品が多い。

しかも、この作品、白血病で余命数日という少年オスカーくんのお話し。

お涙頂だいものを見る気分であれば、チョイスするかもしれないけど、全然そんな気分でもないし・・・と思い、気になってはいたものの何となく避けていた作品のひとつ。

でも、やっぱり気になる。

そんなに気になるなら観てしまえ!!と腰を据えて観賞してみました。


期待を裏切る斜め上の作品

めっちゃいいです。

テーマが重くて暗くなりがちで、しっかりお涙ちょうだいストーリーかと思いきや、期待を裏切る想像の斜め上をいくとても素敵な愛に溢れた作品でした。


オスカー少年は、その可愛らしい顔とは裏腹に、腫物にさわるように接してくる大人たちへの心の反発を感じているの。ものすごく猛烈にお腹の中で大人の二面性を敏感に感じ取っているのね。

息子の病気を受け入れられず、接し方に困惑している両親に対しても、恨みを抱えたまま、余命を迎えちゃうのかな?と、ちくっと心が痛くなる。

そんな中現れるド派手なピンクの服を着た、暴言吐きまくりのピザ屋のローズ

心がピュアなオスカーは、口の悪いローズの中に偽ってない、ド直球のまっすぐな心を見つけたんだろうな。

元プロレスラーのローズ、口は悪いし態度も悪いし、こんな人いたら、その見た目でちょっと距離を置いてしまうかも。

でも、ウィットに富んだローズの言葉は、真実を捉えていて口は悪いけど、根本に「愛」を感じられて、ぐぐっと心をえぐられます。

元プロレスラーという設定なので、ところどころ出てくるプロレスのシーンが劇中劇のようで、暗くなりがちなテーマをファンタジーっぽく仕上げてくれてます。まるでサーカスを観ているような気分になるんですよね。


1日1日を全力で生きる

タイトルの「100歳の少年」?って何?と思ったけど、それは物語の冒頭ですぐわかります。


ネタバレになるから、詳しくは書かないけど、恋をして、告白して、なんだかんだと経験して、精神的に大人になっていくオスカー

たった10歳の少年の数日間の成長が、まるで人生そのもののよう。

その成長はローズがいてくれるからこそ。

でも成長して変わっていくのはオスカーだけじゃなくて、世話をしているローズ自身も変化していく。

愛を拒否し続けるローズも、オスカーと過ごすうちに自らのうちにある愛に気がついていく過程が、なんとも心がじわ~んとなるんです。

家族にすら強がって、オスカーの世話をしていることを隠していたローズ。世話をしているいことを知って娘から「お母さんを誇りに思う」と言われるシーンも琴線をえぐられました。


自分自身を見つめ直すきっかけに

オスカーとローズが過ごす数日を映画の中で一緒に過ごしていると、自分の日々の過ごし方を改めて考えるきっかけにもなります。

どこまでも続くと勘違いして、なんとなく無駄なことに時間を費やしてしまったり、自分自身をたいせつにしていない時があったり。

愛を引っ込めてしまっていないかな?ということも振り返るきっかけになる作品でした。

観終わったころには、戦略的なお涙頂だいに仕掛けられた涙ではなく、心が愛で包まれる暖かい涙で目頭が熱くなる、心がじわ~んとほぐれていく、そんな作品でした。

フランス映画に苦手意識を持っている人にもぜひ観て欲しい作品です。


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